さえ

さえ
I
さえ
[サヘ](副助)
〔語源は「添え」という〕
体言およびそれに準ずる語, 活用語の連用形, 格助詞, 接続助詞「て」など種々の語に付く。
(1)極端な事柄を例として提示し, 他の一般を推し量らせる意を表す。 普通, 打ち消しの表現を伴ったり, 「…さえ…だから」の形でその結果に結びつけたりすることが多い。

「大学者で~解けない問題だから, 一般の人にわかるはずがない」「夫婦げんかは犬~食わない」

(2)(仮定条件句の中で用いられて)そのことだけで, すべての条件が満足される意を表す。

「君~よければ, それでいい」「お金~あれば, 満足だ」

(3)そればかりではなく, さらにつけ加わる意を表す。 これが「さえ」本来の用法であるが, 現代語ではこの用法は少なくなっている。

「親兄弟ばかりでなく, 妻に~死に別れた」「多祜(タコ)の浦の底~にほふ藤波を/万葉 4200」

〔上代では, 「さへ」は「すら」「だに」とそれぞれ意味を分担して並び行われたが, その後, 「すら」「だに」は次第に用いられることが少なくなり, 「さへ」がそれらに代わって用いられるようになっていった。 この傾向は中世末期以降特に目立つようになった。 それと同時に, 従来「さへ」がもっていた(3)の用法, すなわち添加の意には「まで」が用いられることが多くなった〕
すら
だに
II
さえ【冴え・冱え】
〔動詞「さえる」の連用形から〕
(1)澄みきっていること。

「音の~」

(2)考え・感覚などが鋭くはたらくこと。

「頭の~」

(3)技術や腕前があざやかで際立っていること。

「上手投げに~を見せる」

(4)(遊里で)興がますこと。 また, 遊興。 酒宴。

「これより辰巳の里と出かけ, あらゆる~をつくしけり/黄表紙・栄花夢」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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